インサイドセールスにおけるコール数とは
インサイドセールスは、基本的に非対面での営業活動が中心になります。
そのため、基本的な1日のスケジュールとしては、見込み顧客にお電話するかメールするか、オンライン商談するかといった形になります。ほとんどの企業のインサイドセールスがアポイントを獲得するために、毎日コール(お電話)しています。
インサイドセールスは、コールをしてなんぼだ!と上司に指導いただいた記憶があります。コール数はものすごく重要なので、この後事例も含めて解説していきます。
コール数が重要な理由とは?
さて、それではコール数の重要性とはなんでしょうか。多くのインサイドセールスでは、アポイントや案件化数を追いかけているという話はこちらの記事でもしていました。それでは、コール数はなぜ追いかけている企業が多いのでしょうか。以下2点に絞って解説していきます。
アポイント達成のための行動指標
まず1つ目が、アポイント達成のための行動指標であるからという理由です。
アポイントは、1コールして1アポ獲得できるという生やさしいものではありません。コールからのアポ率は1%が平均と言われており、1アポイントを獲得するために、インサイドセールスは100コールを積み重ねなければならないと言われています。
よって、受注金額から逆算されたアポ予算に対して、さらに逆算されたコール数の目標を追うことで、アポイント獲得のための行動数が担保できているかをウォッチすることが可能になります。
顧客との会話に必要な行動数
そして、コール数が重要なもう一つの理由は、顧客との接続数を担保する上でも重要であるからです。
アポイントの数を達成することは重要ですが、その後の顧客のリードナーチャリングもインサイドセールスは行われなければなりません。そのため一定の顧客と会話し温度感を高めるといった役割も求められます。一般的にコールからの通電率は約30%と言われています。1%のアポイントとすれば、29%の通電によって、顧客をナーチャリングするためにコール数を追っていると言えるでしょう。
あなたがもし、組織をマネジメントする立場の場合、コール数が重要な理由を問われた際にはこのように回答してあげてください。
コール数の目安
それでは、本当に毎日100コールしないといけないのか?という議論についてです。結論としては、企業によりけりで、必要な受注金額から逆算したコール数を実現可能なリソースがあるかどうかがポイントになります。
今回は、他の企業ではどのくらい架電を行っているのかというデータをSNS上や筆者の実体験を通して解説します。
一般的なコール数とは
一般的には、コール数の平均は30件程度と言われています。下のSNSでもシェアされていますが、実際のアンケート結果としても31.1件となっています。
アポ率の平均値が1%と言われていますので、大体3~4日に1アポ獲得し、月で言うと5~6アポ獲得していることになります。この計算では、筆者個人的な所感としてはかなり少ないアポ数だなと感じてしまったので、もしかするとアポ率はもう少し高いのかもしれません。
また、コール数30件というのは平均値ですので、グラフにもあるように多い会社は1日100件が当たり前になっている会社もありそうですね。大体1日あたりのコール数が81件以上が10%程度はいそうです。
またこちらのデータはメール数のデータになります。先ほどのコール数と合わせたグラフが見たいところですが、メール数だけ見ても81件以上の行動をしている人たちがいますね。行動数は基本的に成果と比例して行くので、アポ数もそれだけ取れている人たちなのでしょう。
事例〜SaaS企業の場合〜
さて、とあるSaaS提供企業(筆者の会社)の場合はどうでしょうか。
筆者の会社も一般的に言われるような平均的なアポ率でした、若干高いぐらいでコールからのアポ率は1.3%程度だったと記憶しております。毎月1件の受注は1名のインサイドセールス担当から生み出さなければならないため、当時の受注率が10%で計算すると、1ヶ月の必要アポ数が10件。逆算すると、1ヶ月に必要なコール数は、769件となり、20営業日で割ると1日あたり39件のコールが必要になります。
筆者の企業のインサイドセールス部門も、目標とするコール数は40~50件に定めていました。ただし最重要指標としてはアポイント数だったので、途中でアポイントを達成し、翌月以降の見込みも十分に準備できているようであれば特段、行動数について詰めることはしていませんでした。コール数を絶対的な目標にすることなく、出している成果に対して根拠づけて行動ができているか?という視点でメンバーを評価していました。コール数が目標になると元も子もありませんよね。
番外編〜海外のインサイドセールスの1日編〜
そして最後に、海外ではどうなのでしょうか。これもまた、SNS上に参考になりそうな図があったので掲載させていただきます。
コール数は、日本よりも多いと言った結果になったことに少しびっくりしています。仮説としては、日本企業の方が接続率が高く、お電話営業に対して明るいからなのか、その先の受注率が高く手前の成果指標が少なくても良い傾向にあるのか?と言ったことが言えますね。
また、全体の行動数にも着目しました。1日の行動数が100件を超えていますね。メール40件もすごいですが、LinkedInやSNSと言ったところが面白いですね。今やアメリカではSNS営業が当たり前の時代になっていると言えるでしょう。この辺の日本企業のデータが出てきたら紹介させていただきますね。またこのSNSを書いている浜田さんのサービスはこちらです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
インサイドセールスにとっては最も達成すべきKPIは企業によって異なりますが、アポイントやその先の受注数であることは間違いないと言えるでしょう。あくまでもコール数は、それらを達成するための行動指標です。コール数というわかりやすい指標があることで、コール目標を達成するだけでアポイントも達成するかもしれませんし、逆にコール目標を達成したとしても達成しないこともあるでしょう。
インサイドセールスとして重要なのは、コール数や通電率と言った行動指標に縛られるのではなく、その先のアポイントや受注と言った最重要指標を追うこと、もっと言えば顧客のサクセスを追っていくことが成果の創出に最も重要なことであると言えるでしょう。