インサイドセールスにおける「BDR」「SDR」とは?それぞれの概要や適性を解説

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インサイドセールスにおける「BDR」「SDR」とは

近年、インサイドセールスの導入をする企業が増えてきました。そもそもインサイドセールスには「BDR」「SDR」の2種類があります。「BDR」「SDR」の意味や違いがわからないという人も多いのではないでしょうか。今回は「BDR」「SDR」の概要や相性の良い商材、ターゲットなどをご紹介します。そもそものインサイドセールスに関しては、こちらの記事で詳しく解説していますので、ご参考までにご覧ください。

「SDR」とは

「SDR」とは、「Sales Development Representative」の略で、「反響型」と言われることが多い、インサイドセールス組織です。マーケティング部門が獲得したリードを引き継ぎ、アポイントを獲得して、フィールドセールスへと連携していく役割を担っています。日本のインサイドセールスの多くが、SDR型を採用しています。

特徴として、既に顧客側である程度ニーズが顕在化された状態(=購入意欲が高い状態)であることです。顧客側は既に「買いたい」「知りたい」という前向きな検討を行なっており、売上を獲得しやすいと言えるでしょう。

逆に言えば、比較検討段階に入っていたり顧客の温度感が下がってしまう可能性もあるため、顧客への接触スピードを早めたり、顧客体験を良くしたりと、インサイドセールスにはスピードと質という2点が求められるケースが多いです。

また、SDRが有効な企業規模としては、中小企業(従業員数1~200名程度)の顧客層であり、WebマーケティングやSEOによってリーチすることが可能です。営業能力の良し悪しに成果が左右されにくいため、成果が出やすい方法と言えるでしょう。

「BDR」とは

BDRとは、「Business Development Representative」の略で、「新規開拓型」と言われることが多い、インサイドセールス組織です。メールやテレアポ、お手紙などを用いて、新たに顧客との接点を設け、売上につなげるという営業スタイルになります。

特徴として、顧客側から資料請求やお問い合わせといった能動的なアクションはなく、ニーズもまだ顕在化しているとはいえず、自ら課題認知をしている顧客は少ないです。ただし、自社が取引したい企業へ直接アプローチを行うことができ、商談化して受注すると大きな成果が見込める可能性も高いです。

ターゲティングをして、顧客との接点を作りアポイントを取得することが重要なポイントとなります。行動量はもちろん、仮説の構築や実践を繰り返す営業としての能力やメンタリティーが求められるポジションと言えるでしょう。

また、BDRが有効な企業規模としては、大企業(従業員数300名以上)の顧客層であり、一般的にWebマーケティングやSEOではなかなかリーチできないと言われており、アプローチするためには、、企業側から能動的なコールドコールが必須になります。そのため営業能力の良し悪しによって、成果が左右される可能性が高く、営業能力の高い人員のアサインが必須と言えるでしょう。

SDRBDR
別名「反響型」「新規開拓型」
アプローチ手段顧客からの
問い合わせや資料請求
自社からの
メールやテレアポ、お手紙
顧客の購買意欲購入意欲が高い購入意欲が低い
ISが重視すべき指標スピードと質行動量、営業力
メンタリティー
推奨される顧客規模中小企業
(従業員数1~200名程度)
大企業
(従業員数300名以上)
成果と営業能力の関係性小さい
(営業力に成果は比例しない)
大きい
(営業力に成果は比例する)
SDRとBDRのまとめ
Biz Stock
Biz Stock

筆者自身は、BDRがキャリアのスタートになっています。BDRは営業力に依存しがちではあるのですが、ターゲット顧客によっては行動量でカバーできる側面もあります。BDR経験後、SDRに移りましたが、全く異なる筋肉を使うイメージでした。

「SDR」「BDR」が向いている商材やターゲットって?

「SDR」「BDR」どちらを採用するかは、企業にとって最も検討すべきポイントの一つです。適当に決めてしまったが故に費用が思ったよりもかかってしまった、失敗に終わってしまって次やろうと思っても予算の承認が降りないといった事態になりかねません。

「SDR」が向いている商材・ターゲット顧客

少し上でも触れていますが、SDR(Sales Development Representative)を活用するにあたって、向いているターゲット規模は、中小規模(従業員数1~200名程度)向け商材がベストと言えるでしょう。単価に関しては高いに越したことはなく、リードタイムは短いに越したことはありませんが、中小企業向けに単価の高い商材を扱っていることはないと思います。

市場の大きな商材でかつ、ターゲット顧客規模が小さい場合は、SDRの体制を作った方が理想であると言えます。

SDRにおけるKPI

SDRにおいて、KPIにすべき指標は、ズバリスピードと質を測る指標です。

  • 5分以内対応
  • アポ率

5分以内対応とは、リード発生後5分以内に顧客に対してアクションできているか?というチェックです。もちろんこれ以外にもチェックポイントを作ることは可能かと思いますが、一番シンプルかつ効果の出やすい方法と言えます。下のアメリカの調査では、5分以内にアクションを行うだけでアポ獲得率は8倍になるという調査結果も出ています。

アポ率は、インサイドセールスの対応の質を測る上では、ベストな指標と言えるでしょう。もちろんその他の従業員規模や業種、フロント担当者の役職やコンバージョンポイント(CVしたページ)などによって、顧客の興味具合が異なり、変数も大きくなります。しかし、それらも含めて一定のアポ率を維持継続できているかをウォッチすることは、コンスタントに成果を出す上では非常に重要です。アポ率が低下し、成果が出なくなって初めてアポ率以外の変数を分析し始めるというのが一番の理想でしょう。

「BDR」が向いている商材・ターゲット顧客

BDR(Business Development Representative)が向いているターゲット規模は、大企業(300名以上)かつ単価の高い商材と言えるでしょう。BDRは、とてつもなく長い時間と人件費やマーケティング費用(郵送費、紙代、広告代)がかかります。そのため、一度の受注で大きな成果を見込めない場合は、ROI(=費用対効果)は悪くなってしまいます。

Biz Stock
Biz Stock

昔、筆者自身は、単価の低い商材でBDRの責任者を任されていましたが、ターゲット規模が低いためアポイントは順調に獲得できていたのですが、単価が低くいつまで経ってもペイしないといった状態が続いてしまいました。

BDRにおけるKPI

BDRにおいて、測るべき指標は、行動量と質の2点です。

  • 行動数(電話やメール数)
  • 担当接続率
  • 担当接続からのアポ率

行動数をKPIにするとは、どの程度電話やメールを行なっているかをチェックすることです。通常BDRの場合、1リストに対して10回、20回とコールを行わなければ、担当者に接続することはできません。そのため、1リストに対して何行動できたかという指標をクリアできているかどうかをチェックすることが重要です。

また、担当への接続率です。様々なトークやtipsを用いて受付を突破して、担当者への接続がどのくらいできたかが、成果を大きく変えるポイントと言えます。目標である担当接続率をクリアできなかった場合に、トーク通りに話せているか、tipsを用いているかのチェックを行なっていくことで改善へ繋げることが可能です。

担当接続からのアポ率も最も重要なKPIと言えるでしょう。接続後のトークがうまくできずに、担当者のニーズを引き出せなかった、接続しても事例をうまく活用できなかったため、相手に刺さらなかったなど、反省すべき点がどこなのか?を把握するためにもアポ率をウォッチすることは重要と言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。「SDR」「BDR」はそれぞれ異なる筋肉を使います。決して難易度に違いはありません。私自身の経験から申し上げると、SDRはよりスピードへの意識や、数値管理の意識が研ぎ澄まされました。一方でBDRに関しては、絶対にブレないメンタリティーと行動量へのコミットを問われ続けました。

どちらもこっちが楽だったよ!なんて言うつもりはありません。ただし、「営業」としての能力が問われ、一般的な「営業力」がつくと言われるのは、「BDR」かもしれません。より「営業」としての力を磨いていきたい方は、「BDR」のあるインサイドセールス組織に転職を考えてみてはいかがでしょうか。

またもしインサイドセールスにおいてBDRを始められる場合は、アウトバウンド施策(手紙)の方法は以下の記事にて紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

また、インサイドセールスにおけるナレッジはこちらのサイトで紹介されていますので、ぜひこちらもご覧ください。

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