フォーム営業とは
「問い合わせフォーム営業」は、企業のHPやサイトにある問い合わせフォームから、自社やサービスの紹介を送る営業手法のことを指します。
インターネットが普及した2000年代から主流になりつつある、営業手法ですがテレアポよりも歴史は浅く、最近できた営業手法の一つです。そのため、まだまだ問い合わせフォーム営業自体を行ったことがなかったり、一部否定論者もいたりします。
しかし、問い合わせフォームの営業ツールの台頭などに伴い、徐々にではありますが日本企業、特にスタートアップのようなまだまだお金をかけきれない企業や新規事業などでその方法が使われることがあります。
フォーム営業の具体的なメリットデメリットについては、こちらの記事で解説しておりますので、ぜひご覧くださいませ。
筆者自身も、新卒の頃は新規事業の立ち上げにアサインされ、右も左もわからない中ひたすら問い合わせフォームの入力を行っていました。問い合わせフォームURLのリストアップから行っていたので相当な時間がかかりましたが、やり切った後の達成感や、返信を企業様がくれた時の感動は今でも忘れません。
フォーム営業の返信率はどれくらい?
問い合わせフォームの返信率は、テレアポやお手紙と比べても比較的高い傾向があると言われています。(参考:「お問合せフォーム営業」で使える!反響率の高いメッセージの書き方)
筆者が新卒のときに経験した新規事業の立ち上げにおける返信率は約5%程度でした。アポ率は3%と他の手段と比べるとかなり高い傾向があり、テレアポで約1%程度、お手紙送付で約2%となっており、お手紙に関しては、紙代や郵送だいが別途でかかっているので、どの手段よりも最も効率が良かったと言えるでしょう。
具体的な手法について
本記事は、具体的な返信率を高める方法についての解説がメインとなります。以下で、実際に筆者が20,000通送って分かった返信率を高める方法について解説します。
件名
まずは件名です。件名には皆さん何と書いていますか?問い合わせフォームの内容をメールで見れるようにしている企業が多く、件名は開封率を上げる最も重要な部分となります。その件名において、重要なポイントが主に3つほどあります。以下で3つ挙げているものをギュッと凝縮することで、まず開封率が高まります。
結論
まずは、結論です。この連絡は何のためなのか?それがわかるようにしなければなりません。
「株式会社○○の田中です。」みたいな件名では怪しさしかありませんね。逆に開かれる可能性もありますが、不信の突破ができておらず、開封してもすぐに離脱してしまうでしょう。筆者は以下のような文章を件名に入れていました。
「ご面会のお願い」 「ご面会のご依頼」 「アポイントのお願い」
アポイントを成果の指標として追われている営業マンが多いと思います。メッセージを受け取る側も結局何がしたいかの結論が見えないとなかなかメールを開きません。また、それを分かった上で、メールを開くのとそうではないのでは、顧客の反応に雲泥の差があることは明らかです。
何のサービスなのか
そして次に、何のサービスを扱っているのか?という点です。求人広告やSaaSのような汎用的な単語だけではなかなか、顧客のニーズまで辿りつかない場合も多いです。そこで筆者はこのように書いていました。
「介護業界特化型求人広告」 「営業活動の効率化SaaS」
のような形でわかりやすい言葉に置き換えて、件名に入れることがおすすめです。ぱっと見で、何者なのかを理解してもらう必要があるので、ここはどんな文言が伝わりやすいか最大限考えたうえで臨みましょう。
どんなメリットがあるか
最後にどんなメリットがあるか?についてです。このサービスを受けることで、どんな効果があるのか?をわかりやすい数字で解説するのがベストです。例えば、先ほど挙げさせていただいた、「求人広告」であれば採用お申し込み6倍!や営業活動効率化SaaSであれば、売上3倍!などの定量的な効果があると開封率も高まります。
また、メリットに加えて実績も必ず付け加えましょう。100社導入!累計2,000社導入!などわかりやすい指標があると信用度が上がり返信率が高まります。
以上の点を踏まえると、このような問い合わせフォームができるのではないでしょうか。
本文
さて、次は本文の解説に入ります。件名で先ほど解説した内容を意識することは変わりませんが、今度は説明するボリュームを増やすことができるため、伝えたいところはより厚くして伝えます。
自己紹介&会社紹介
まずは、営業担当自身の紹介と会社の紹介です。
何者なのかをはっきりと理解していただかないといけません。個人の自己紹介については、SFA上に画像をアップロードして、URL化したりして省略しても問題ないです。会社の紹介に重点を置きましょう。例えば、
などのような形で、どのような沿革があるのかをさらっとお伝えします。
実績紹介&サービス紹介
そして実績紹介やサービスの紹介です。できればここで強みも合わせて言えると最強と言えるでしょう。例えば以下のようなイメージでしょうか。
といった形で、何をどのくらい提供してきた会社、組織なのかを顧客に伝えることが重要です。
why you now
最後にWhy you nowです。インサイドセールスの方であれば、いやというほど聞いたことがあるかもしれません。直訳すると、なぜあなたに今、連絡をしたのか?(why you now)になります。その意味のままで、なぜ今あなたに連絡しなければならなかったのか?というニュアンスの方が合っているかもしれません。それでは、例を見て見ましょう。
これはかなりタイムリーで奇跡的な内容ではありますが、求人広告であれば、まさに今のような形でしょう。こういった流れが見えていれば、今注力していることが十分にわかりますし、事実であれば顧客にビシッと刺さる提案になることでしょう。
クロージング
最後にクロージングです。
アポイントを獲得することがゴールなので、最後にどういう着地で話を終わらせるべきでしょうか?アポイントの方法や日程調整の方法などのご提示することもありなのではないかと思います。ただし筆者であれば下記のような方法を使います。
日程調整を直接打診すれば、①や②の工程が省略されて良いと思いますが、まずは相手に興味あるかないかの同意をしてもらって、返信をもらうようにしています。そうすることで相手とのやりとりも増えますし、いきなり日程を提示すると不快感を示す顧客がいることも一定の事実です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
実体験をもとに、ここまで解説してきましたがすでに上記のような形を試されている会社様は、そのままでも構いませんし、試されていない企業様はぜひご活用いただきたい!という一心です。もちろん正解はありませんので、日々顧客の反応を見ながら、フォーム営業における本文内容の改善は適宜行っていくべきだと考えています。
ぜひ本記事を参考にしていただけますと幸いです。
フォーム営業そのものについては、こちらの記事で解説していますので、ぜひこちらもお目通しくださいませ。