属人化していく営業組織とは?属人化しないためのコツも含めて解説

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トップ営業マンの属人化

トップ営業マンといえば、どんな人を思い浮かべますか?

売上200%達成!10年連続MVP!などの輝かしい成績を保持していたり、その会社の象徴として取引先からも良い印象を持たれている方を連想されるかもしれませんね。他の営業マンとは一線を画す成果を残している方をまさにトップ営業マンというのではないでしょうか。

一方でトップ営業マンがなぜトップなのか?を説明できる組織はどの程度あるのでしょうか。トップ営業マンを連想はできても、トップ営業マンがなぜトップなのかを説明できる人はなかなかいません。これは非常に面白い事実だと思います。つまり、トップ営業マンのスキルはかなり属人化していることがよくわかりますね。他の誰も真似できないその人しか知り得ない方法によって、トップ営業はトップたらしめているのです。

今回はそんなトップ営業マンという属人化した営業から脱するためのヒントを実体験をもとに解説させていただきます。ぜひご覧ください。

Biz Stock
Biz Stock

筆者も、圧倒的トップとは言えませんが、属人化の極みと言えるほどの営業マンでした。なぜ売れたのか?他の人も真似できる再現性があるか?と問われると一切わかりません。誰にも説明ができず、後輩に聞かれても説明ができないため、頼られない先輩になっていたと思います。

属人化している営業組織の2つのチェックポイント

それでは属人化している営業組織とはどのような組織なのでしょうか。3つのチェックポイントに絞って、具体的に解説していきましょう。

トップ営業マンが成果が出た要因を誰も解説できない

まずは、先ほどもお伝えしたトップ営業マンの成果の要因を所属する組織のメンバーが一人も解説できないという点です。ここでは、わかりやすいように成果が出ている組織とそうではない組織におけるトップ営業マンがなぜ売れているのか?という理由を聞いた時に返ってくる答えの例で比較してみましょう。

属人化している営業組織

営業A
営業A

多分、行動量が多くて、顧客に好かれるタイプの人間だからではないか。

営業B
営業B

たまたま対応する顧客が温度感が高い人ばかりだからうまくいっているのではないか。

属人化している営業組織
  • 成果の要因を説明する際に、「たまたま」「偶然」などを多用する。
  • 行動量が多いなどの曖昧な回答に終始してしまう。

属人化している営業組織は、まさに上記のような空気が漂っています。成果の理由を分析しようとせず外部要因や曖昧な分析や深掘りに留まってしまっており、トップ営業マンを神格化してしまう傾向にあると言えるでしょう。

属人化していない営業組織

営業C
営業C

1契約あたりに必要な行動量をしっかりと担保できているからですね。

営業D
営業D

営業活動の中で、自社プロダクトが売れる課題設定を確実に行っているからですね。

属人化していない営業組織
  • 成果の要因が深掘りできており、自身もその回答に納得できている。
  • 定量の数字で成果の理由を回答できている。

成果の理由を深掘りしている営業組織は多いですが、営業自身も納得をして、トップ営業マンの成果を真似しようとしている組織が最も属人化から遠い組織と言えるでしょう。属人化を脱却するための1歩として、まずは成果の要因を深掘りするところから始めてみてはいかがでしょうか。

営業ノウハウが個人のメールボックスやSlackの中に埋もれている

次に、「営業ノウハウが個人のメールボックスやSlackの中に埋もれている」か否かという点です。

営業マンが売れるノウハウが見える化されていないということほぼ同義になります。ノウハウやコンテンツや営業マンが利用できてこそ、意味あるコンテンツとなります。しかし、属人化してしまう営業組織の中ではそういったノウハウがSlackやメールボックスの中に埋もれてしまいがちになります。あくまで筆者の理想になりますが属人化している組織のコミュニケーション例をあげてみます。

営業A
営業A

すごいじゃん!A社に売れたんだね!なかなか真似できないよ!なんで売れたの?

営業B
営業B

正直、誰にでもできると思っているけどね。どうなんだろうね、いやぁ私もわからない。笑

コミュニケーション
  • 受注要因を、自分自身もなぜ売れたのか?理解できていない。
  • 営業マンがなぜ売れたのか?についてメールボックスやSlackを辿らないとわからない。

受注の成果をヒアリングしたときに、彼や彼女の口から明確になぜ売れたのか?について明確な回答が返ってくることはありません。おそらく彼や彼女の行動(メール/Slack)の中を辿れば、理由がわかるでしょう。しかし、そういったノウハウなどを組織の資産として活用できているケースは非常に稀です。

営業組織が属人化しないために必要な3つのこと

それでは、営業組織が属人化しないためにはどのような方法があるでしょうか。方法は1000通りをゆうに超えますが、ここでは一部の3通りの方法を共有します。

積極的にナレッジを共有する文化を作る

まずは、「積極的にナレッジを共有する文化を作る」ということです。

みなさん、会社にとって資産はなんだと思いますか?もちろんBS(バランスシート)に記載されている資産とは異なるものです。ズバリ、情報となります。営業活動の中で顧客からプロダクトへのフィードバックを受けたり、顧客のニーズを聞いたり、個社別の状況をヒアリングしたりなどさまざまな資産となりうる情報を営業の皆さんは触れています。だからこそ上長はSFAにしっかりと記録しなさいと言っているのです。

営業のノウハウも同じです。「ナレッジを共有すること」=「会社の資産を形成していくこと」と捉えましょう。会社の資産を形成していくことは、売上UPの加速度を上げることに繋がり、ひいては評価につなげるべきだと筆者は考えています。つまり、ナレッジの質と量を定期的に評価する制度を作ってみてはいかがでしょうか。報酬体系や人事評価と紐付けても構いません。半ば強制的にナレッジ共有を評価し合う文化を作っていくことが重要です。

受注したら、再現性があるか?を振り返る

そして、受注後に再現性があるか否かについて振り返る習慣をつけましょう。

これは、組織というよりもこれを読んでいる「読者の皆さんが」です。振り返る際には以下のFMTで考えてみましょう。

振り返りFMT
  • 外部要因
    • 外部環境における受注要因は何か?
    • 再現性を高めるためにできることはどんなことか?
  • 内部要因
    • 自身の営業活動の中に、受注要因はあったか?またそれは何か?
    • 再現性を高めるためにできることは何か?

上記FMTを活用して、まとめたら都度営業チームにシェアをするようにしましょう。自然とナレッジを共有する文化が作られていくかもしれません!

失注したら、同じ失敗を繰り返さない対策を考える

そして、失注に関しても受注と同様です。

よく契約した時のナレッジシェアは聞きますが、失注時はあまり聞きません。会社の資産という意味では全く受注と同じくらい重要です。ナレッジを共有しましょう。FMTは受注時と同じで構いません。

同じ失敗をしないための取り組みができるか否か?という観点で振り返りを行い、失注の度にセールスチームにシェアをしてみましょう。ナレッジをシェアし続けることで、セールスチーム全体がシェアの需要性に気がつくかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

属人化していく営業組織は、特にこれからの時代苦境に立たされることでしょう。AIが発展し人間ができることが限られていきます。考えなくてもできることは標準化していくということは、属人化を排除していくことに他なりません。何も全ての営業活動が標準化できるとは考えておりません。ただし営業マンのスキル中央値を上げることは間違いなくできると、筆者は考えています。その一つが上記で解説させていただいた方法になります。ぜひみなさんも実践してみてください。

このメディアでは、他にも法人営業について記事で紹介しています。why you nowを駆使した営業とは?や、インサイドセールスは楽しい!?インサイドセールスの楽しいと感じる3つの理由といった記事にて、法人営業や営業マンについても、具体的に解説しておりますので、ぜひご一読いただけますと幸いです。

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