インサイドセールスの将来性とは
「インサイドセールスは将来性がない」「結局はテレアポ」「フィールドセールスより給料が低い」 こうした声を聞いて、インサイドセールスとしてのキャリアに不安を感じていませんか?
結論から断言します。インサイドセールスは、計り知れない将来性を秘めた、これからの営業組織の中核を担う極めて重要なポジションです。
筆者は約6年間インサイドセールスに従事し、マネジメントも経験しました。その中で強く感じたのは、この職種が持つ希少性と将来性の高さです。しかし、正直なところ、まだ多くの日本企業がその本当の価値に気づいていない、というのが本音です。
インサイドセールスは、事業成長のレバーを大きく握る戦略的な部門です。しかし、いまだに「ただ電話をかけるだけの簡単な仕事」と誤解されていることも少なくありません。
だからこそ、チャンスなのです。
本記事では、インサイドセールスの将来性について、世の中のイメージと実態のギャップを埋めながら、以下の点を徹底的に解説します。
- データで見るインサイドセールスの需要と供給、年収のリアル
- 将来性が高いと断言できる5つの理由
- インサイドセールスで身につく市場価値の高いスキルセット
この記事を読めば、インサイドセールスの将来性に対する漠然とした不安は確信に変わり、自身のキャリアを戦略的に描くための羅針盤を手に入れられるはずです。

筆者はインサイドセールスに非常に可能性を感じています。日本の中で、一番実態と評価が乖離していると感じている職種の一つです。自分自身が経験したからこそ、痛感しています。
インサイドセールスについては知りたい方はこちら(インサイドセールスは楽しい!?インサイドセールスの楽しいと感じる3つの理由)で解説しています。
データで見るインサイドセールスの将来性|需要・供給・年収の推移
インサイドセールスの将来性を客観的に判断するために、「需要」「供給」「年収」の3つの観点からデータを見ていきましょう。
需要と供給の推移:急拡大する需要に供給が追いつかない現状
近年、インサイドセールスの需要は爆発的に増加しています。SaaSビジネスの普及、働き方改革、コロナ禍による非対面営業の一般化が、その流れを大きく後押ししました。
- 求人倍率の上昇: 大手転職サイトでは「インサイドセールス」の求人数が右肩上がりに増加しており、特にIT・SaaS業界では経験者の獲得競争が激化しています。その結果、有効求人倍率は非常に高い水準で推移しています。
- 市場規模の拡大: 国内SaaS市場は今後も年率10%以上の成長が見込まれており、市場の拡大に比例して、The Model型営業の要であるインサイドセールスの設置は、企業の規模を問わず「当たり前」になっていくでしょう。
一方で、急激な需要の伸びに対し、体系的なスキルを持った経験者の供給は全く追いついていません。 まさに「喉から手が出るほど欲しい人材」となっており、インサイドセールスの経験は、転職市場において非常に強力な武器となっています。

平均年収の推移:日本の現状と、アメリカに見る未来
では、年収はどうでしょうか。ここに、日本のインサイドセールスが抱える現状と大きなポテンシャルが隠されています。
【日本の現状】 現在の日本のインサイドセールスの平均年収は、約450万円~600万円がボリュームゾーンです。成果に応じたインセンティブを含めると、より高い年収を得ることも可能ですが、残念ながら、まだフィールドセールスと比較すると給与水準が低く設定されている企業が多いのも事実です。これは、インサイドセールスの戦略的重要性が、経営層や人事評価制度にまで浸透しきっていないことの表れと言えるでしょう。
【アメリカの現状と比較して見える未来】 一方、インサイドセールス先進国であるアメリカではどうでしょうか。米国の求人・給与比較サイト「Glassdoor」などを見ると、インサイドセールスの平均年収はフィールドセールスと遜色なく、むしろ上回るケースも少なくありません。 これは、移動時間をかけずに多くの顧客と接点を持てるインサイドセールスは、フィールドセールス以上に生産性が高いと評価されているためです。

国 | 平均年収レンジ(メンバークラス) |
日本 | 約450万円~700万円フィールドセールスよりやや低めに設定されている場合が多い。インセンティブの割合も企業により差が大きい。 |
アメリカ | $70,000~$100,000+ <br>(約1,085万円~1,550万円) ※$1=155円換算 ・OTE (On-Target Earnings) と呼ばれる目標達成時年収が設定されるのが一般的。 基本給とインセンティブの比率は6:4や5:5など、成果報酬の割合が高い。 |
この日米の差は、そのまま日本のインサイドセールスの「伸びしろ」を意味します。今後、日本でもインサイドセールスの価値が正しく認識されるにつれて、その年収水準はアメリカのそれに近づき、フィールドセールスと同等かそれ以上に評価される時代が来ると予測されます。今はまだ過渡期だからこそ、先駆者としてキャリアを築く大きなチャンスがあるのです。
インサイドセールスの正しい評価基準についてはこちら(インサイドセールスにとっての評価基準のあるべき姿とは?実例を元に解説!)で解説しています。
インサイドセールスの将来性が高いと断言できる5つの理由
事業全体を俯瞰する「事業戦略家」としての視点が身につく
インサイドセールスは、The Modelのまさにハブです。マーケティング、フィールドセールス、カスタマーサクセスといった各部門と密に連携するため、事業全体の流れを俯瞰して見る力が養われます。
「マーケティングが獲得したリードの質が低い。どのチャネルからのリードが商談に繋がりやすいのか?」
「フィールドセールスに渡した商談の受注率が低い。ヒアリングすべき項目が漏れていたのではないか?」
このように、常にプロセス全体のボトルネックはどこにあるのかを考え、改善活動を主導する経験を通じて、自然と事業戦略的な視点が身につきます。これは単なる営業担当者には得がたい、極めて価値の高いスキルです。
顧客の声を起点に事業を動かす「仮説検証」のプロになれる
インサイドセールスは、社内で最も多くの顧客と対話し、最も多くの「一次情報」に触れるポジションです。この環境を活かせば、単なるアポ獲得マシンで終わることはありません。
顧客との対話を通じて、「自社サービスが本当に刺さるターゲットは誰なのか」「どのような課題に最も響くのか」といった仮説を立て、日々のアプローチで検証を繰り返すことができます。
この仮説検証サイクルを高速で回し、ターゲット顧客の解像度を高めていく経験は、まさに市場調査や顧客開発そのものです。ここで得られたインサイトは、マーケティング施策の改善や、プロダクト開発への貴重なフィードバックとなり、事業そのものを動かす力になります。

プロダクトマネージャー(PM)への道が拓ける
顧客の課題を最も深く理解しているインサイドセールスは、実はプロダクトマネージャー(PM)へのキャリアパスとしても非常に有望です。
PMの重要な役割は、「顧客のどんな課題を解決するために、何を作るべきか(What)」を定義することです。インサイドセールスは、日々の活動の中で顧客の生々しい課題やニーズに大量に触れています。
「多くの顧客が〇〇の機能で困っている」「△△ができれば、もっと価値を感じてもらえるはずだ」といった現場のインサイトは、次のプロダクト開発の種になります。プロダクトの知見を意識的に身につけていけば、顧客課題の専門家として、開発チームと対等に渡り合い、プロダクトを成長させるPMとして活躍することも十分に可能です。
あらゆる職種で通用するポータブルスキルが磨かれる
インサイドセールスで求められるスキルは、営業という枠を超えて、あらゆるビジネスシーンで通用するものです。
- 課題発見・ヒアリング能力: 顧客の言葉の裏にある本質的な課題を引き出す力。
- 非対面での関係構築能力: 声のトーンや言葉選びだけで信頼を得る高度なコミュニケーションスキル。
- データドリブン思考: CRM/SFAのデータを分析し、戦略的にアプローチを組み立てる力。
これらのスキルは、あなたのキャリアの選択肢を大きく広げてくれるでしょう。
営業DXを牽引するデジタル人材になれる
現代の営業活動は、CRM/SFA、MA、オンライン商談ツールといった「セールステック」の活用が不可欠です。インサイドセールスは、これらのツールを最も使いこなし、データに基づいた科学的な営業を実践する、まさに営業DX(デジタルトランスフォーメーション)の最前線にいます。この経験は、今後ますます価値が高まるデジタル人材としての市場価値を確固たるものにします。
インサイドセールスがどんな仕事をするのかについてはこちら(インサイドセールスは、「やめとけ」「辛い」「キツイ」と言われる4つの理由とは?)で解説しています。
成功するための具体的なキャリアプラン
未経験からでも、戦略的にキャリアを歩むことで、インサイドセールスのプロフェッショナルとして市場価値を高めることができます。実際に筆者の経験談をそのままキャリアプランとして記載してみましたので、参考にしてみてください。
ステップ1:プレイヤーとして成果を出す(~3年目)
まずは一人のプレイヤーとして、安定して成果を出すことに集中します。自分なりの「勝ちパターン」を確立し、チーム内で頼られる存在になることが目標です。この段階で、業界知識、製品知識、ツールの操作方法といった基礎を徹底的に叩き込みます。
ステップ2:チームへの貢献と仕組み化(3~5年目)
個人の成果だけでなく、チーム全体の生産性向上に貢献します。後輩の育成や、成功事例のナレッジ化、効果的なトークスクリプトの作成、オペレーションの改善提案など、「個の力」から「仕組みで勝つ力」へと視座を高めていきます。この経験が、リーダーやマネージャーへの道を開きます。
ステップ3:キャリアの選択(5年目以降)
インサイドセールスで培った経験とスキルを武器に、自身のキャリアを大きく飛躍させます。
- マネジメント: インサイドセールスマネージャーとして、戦略設計、採用、育成を担う。
- スペシャリスト(営業系): フィールドセールス、カスタマーサクセス、営業企画など、顧客接点のプロとして専門性を深める。
- スペシャリスト(企画・開発系): マーケティングや、本記事でも紹介した**プロダクトマネージャー(PM)**へ転身し、顧客理解を武器に事業やプロダクトを成長させる。

どの道に進むにせよ、インサイドセールスで得た「事業を俯瞰する視点」と「顧客課題への深い洞察」は、あなたのキャリアを生涯にわたって支える強力な基盤となるでしょう。
まとめ:過小評価されている今こそ、インサイドセールスに挑戦する絶好の機会
本記事では、インサイドセールスの将来性について、そのリアルな現状と未来の可能性を解説しました。
- 需要は急拡大し、経験者は圧倒的な売り手市場。
- 年収は米国に遅れを取るも、裏を返せば大きな伸びしろがある。
- 事業戦略、仮説検証、PMへの道など、得られる経験の価値は計り知れない。
- キャリアパスは非常に多彩で、自身の可能性を大きく広げられる。
インサイドセールスは、もはや「営業の入り口」ではありません。マーケティング、営業、開発、そして経営を繋ぐ、事業成長のハブであり、未来のビジネスリーダーを育てる最高のトレーニングの場です。
その価値がまだ日本で正しく評価されていない今だからこそ、この領域に飛び込むことには大きな先行者利益があります。自身のキャリアを飛躍させたいと考えるなら、将来性あふれるインサイドセールスの世界に挑戦してみてはいかがでしょうか。そこには、市場価値の高い人材へと成長するための、刺激的な機会が広がっています。
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