カスタマーサクセスが、「やめとけ」「辛い」「キツイ」と言われる3つのケースとは?

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「やめとけ」と言われるカスタマーサクセスとは

カスタマーサクセスとは、TheModelにおける一つの役割です。インサイドセールスから受け取ったアポイントを、フィールドセールスがクローズし、顧客とのリレーションを絶えず築きながらチャーン(解約)を防ぎ、NRRへと繋げていく営業のことです。インサイドセールスは、「内勤型営業」、フィールドセールスは「外勤営業」と表現されますが、カスタマーサクセスは概念として用いることが多く、営業の一種ではあるのですが、日本語の表現がないことも特徴です。

コロナ禍の中のリモートワークの普及に伴い、営業活動の分業が進み、リードを獲得する部隊(マーケティング)、アポイントを獲得し供給する部隊(インサイドセールス)、商談をクローズする部隊(フィールドセールス)、解約を防止する部隊(カスタマーサクセス)の分業化を採用する企業も増えてきました。The Modelの浸透に伴い、従来の「営業」がインサイドセールスとフィールドセールスに分かれ、これまでサポート業務に従事していた「営業」からカスタマーサクセスという役割が生まれました。カスタマーサクセスは、単純なサポート業務ではなくその役割は、事業の継続にとって非常に重要な仕事になってきています。

そんな中、「カスタマーサクセスを、やめたい、辛い、きつい」と言う声も散見されるようになってきました。今回は、筆者の実体験も踏まえながら、カスタマーサクセスの辛さについて、解説していきたいと思います。

Biz Stock
Biz Stock

筆者自身も、フィールドセールスやインサイドセールスを経験しており、フィールドセールスとしてカスタマーサクセスに関わった経験もあります。実務として経験したことはありませんが、連携先の部署として今でも関わることが多いです。チャーン(解約)という最もプレッシャーのかかる領域で彼らは、奮闘しています。

カスタマーサクセスが「やめとけ」「辛い」と言われているケース

カスタマーサクセスが「やめとけ」「辛い」と言われているケースにはどんなものがあるのでしょうか。以下に、思いつく限り挙げてみました。「やめとけ」「辛い」と言われているのには、以下のような理由があると考えます。

プロダクトが顧客へ価値を返せていないケース

文字通り、顧客にプロダクトにお金を払うことを決めてもらったにも関わらず、プロダクトが顧客の抱えている課題を解決できていないケースです。プロダクトが未成熟であるが故に起きている問題と言えるでしょう。顧客の抱えているペインを解決できない場合は、どんなにカスタマーサクセスを頑張ろうが、NRR成長どころか、チャーン(解約)の連続となるでしょう。

そもそもSaaSやThe Modelと言われる体制の浸透は2010年代後半から徐々に浸透してきました。プロダクトが価値を返せているのか否かもまだまだ検証段階のサービスが多く、これもカスタマーサクセスが「やめとけ」と言われる一つのケースです。

顧客
顧客

御社のサービスに期待して導入したは良いものの、目の前の業務が楽になっているかもわからないし、結局当初の目的はいつになったらクリアできるんだろうね?

カスタマー<br>サクセス
カスタマー
サクセス

そ、そうですね。。。せっかくご導入いただいたの、すみません。。。

こんな会話、ありますか?

プロダクトが未熟であるが故に、UIや使いやすさを含めて現場に導入すらしてもらえず、導入当初の目的すら達成できないといったケースです。筆者自身はここまでのケースは目にしたことがありませんが、プロダクトが結局顧客の課題を解決できていない、他サービスの方が安価に顧客の課題を解決できるが故にチャーンしてしまうといったケースはよくあるのではないでしょうか。

開発力が弱く、新しい機能の実装に時間がかかるケース

これは筆者が直面した課題です。いわゆるクラウドサービスにおいて起きがちな問題と言えるでしょう。クラウドサービス(SaaS)にてサービスを提供するメリットの一つに「常にベータ版」であるという考え方があります。「ベータ版」だからこそ、顧客の声を集め、事業部側からのフィードバックを受けて、常にプロダクトの進化に注力していくことができます。

しかし、エンジニアの能力が低く開発力が弱い場合、プロダクトは進化しません。進化はしていきますが、そのスピードが顧客が求めるものと乖離が大きくなってしまうと、解約が増えるリスクがあります。目の前の顧客が要望しているにも関わらず、スピード感を持って開発できないケースです。

顧客
顧客

この機能がないと、もう契約の継続は難しいね。他のサービスに乗り換えるよ。

カスタマー<br>サクセス
カスタマー
サクセス

そうですよね、2年前からご要望頂いてましたもんね。すぐに、開発部門に機能追加が可能かを確認してきます。

エンジニア
エンジニア

機能拡張はできますが、2年ほど待ってください。開発に時間がかかります。

この場合、1~2ヶ月程度で機能拡張ができる場合は顧客に待っていただき、契約更新ができるケースがあります。しかし、さらに2年間待つということをどう顧客に説明し納得して貰えば良いのでしょうか。エンジニアサイドの開発力が弱く、開発スピードが遅すぎると上記のような問題が発生します。

これも、カスタマーサクセスが「やめとけ」と言われるケースの一つです。

顧客よりも自社の目先の利益を優先するケース

会社がある程度のフェーズになると売上の成長にコミットしたり、上場すると売上の上昇を株主に約束していたりと、売上の成長が重視されるタイミングがきます。それまでは「顧客ファースト」という言葉を発していた経営陣も、売上上昇のために既存顧客への強引なプライシングの変更や、運用上不要なオプションサービスの売り付けを命令するようになります。

経営陣
経営陣

とにかく売上を作れ!新規がダメなら、既存顧客のプライシングを2倍にすればいいじゃん!やれ!やっちまえ!

カスタマー<br>サクセス
カスタマー
サクセス

(顧客はそんなこと望んでいないと思いますが)承知しました。

結果的に、顧客の心象を悪くしたり、ファンになっていた顧客が離れていってしまうケースがあります。顧客の声に耳を傾けながら、売上獲得にもつながり顧客の幸せにもつながるような施策を打っていくことが必要です。結果としてチャーンに繋がり、カスタマーサクセスが評価されない要因にもなります。

カスタマーサクセスの「やめとけ」「辛い」をなくすには

カスタマーサクセスのポジションがというよりかは、所属する会社のTheModelの体制をしっかりと確認した方が良いでしょう。カスタマーサクセスはプロダクトや顧客との親和性が高いポジションです。それ次第では、比較的健康的に働くことも可能だと言えるでしょう。基本的に以下のポイントに絞って会社を見てみるのが良いでしょう。

  • プロダクトが顧客に価値を返せている
  • エンジニアの開発力が高く、メジャーマイナー共にリリースの頻度が多いか
  • カスタマーサクセスメンバーが顧客に共感し働けているか

上記が満たせていれば、即入社すべき会社と言えるでしょう。

カスタマーサクセスは、顧客と密接に関係するポジションです。プロダクトに自信を持つことはもちろん、エンジニアチームへの信頼や同じ部署との関係性が顧客との関係性に大きく寄与します。

上記を満たしていない会社に入社してしまい、どうしてもカスタマーサクセスから抜け出したい!といった場合は、異動を人事部に伝えてみてはいかがでしょうか。どうしてもカスタマーサクセスが「辛い」場合には、最終手段として部署異動を申請しましょう。ただし、どうしても顧客をサクセスできないといった場合には、そもそもプロダクトとしての成長性に疑問が残るので、部署異動ではなく転職を検討した方が良いかもしれませんね。

カスタマーサクセスの魅力・将来性

それでは、カスタマーサクセスの仕事の「魅力・将来性」についてみていきましょう。

魅力

  • 市場価値はどんどん上がっており、転職市場では需要過多!
  • SaaSのカスタマーサクセスは難しく、経験者がかなり希少
  • 年収ベースで平均600万〜の募集で高待遇!

まず、カスタマーサクセスができる人材は市場に一握りしかいません。いわゆるクラウドサービスの会社はまだまだ少ないため、それに伴い従事しているカスタマーサクセスの人員も少ないです。カスタマーサクセスは、インサイドセールスのように、一部サービスでは未経験者も優遇しているケースがありますが、経験者は少なく、経験者であればなお優遇されます。

そして年収です。基本的にカスタマーサクセスの現場で500万円〜700万円が相場と言えるでしょう。比較的難しい仕事ながら、まだまだ年収は低いのですが、筆者個人の意見としてはどんどんこれから年収が上がってきても良い仕事だと思います。顧客との関係性やコミュニケーションによって、創出される成果が変わるという、「AI」に代替されにくいポジションでもあるからです。

まとめ 〜カスタマーサクセスは「やめとけ」「辛い」なのか?〜

私自身の経験から申し上げると、カスタマーサクセスは、大変です。システムのバグやエラーはもちろん、顧客のトラブルや顧客の質に仕事の成果が影響される仕事です。そのため、最悪休日も稼働しなければならなかったりと、顧客を持たないインサイドセールスとは異なる大変さ、辛さがあります。

ただ、あくまでも筆者の所感にはなりますので、実際にやってみたら違った!なんてケースは多々ありますので、ご留意ください。

また、インサイドセールスやフィールドセールスに関しても「やめとけ」と言われることが多く、「インサイドセールスがやめとけと言われる理由」や「フィールドセールスがやめとけと言われる理由」に関しても掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

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