ワークエンゲージメントについて
ワーキングエンゲージメントとは?
ワークエンゲージメントという言葉を知っていますか?
ワークエンゲージメントとは、仕事に対するポジティブな態度や心理状態のことを指します。具体的には、仕事に対して
- 「仕事に誇りや、やりがいを感じている」(熱意)
- 「仕事に熱心に取り組んでいる」(没頭)
- 「仕事から活力を得ていきいきとしている」(活力)
の3つが満たされている心理状態をいいます。最近では、厚生労働省の人手不足の働き方を変えるための施策の一つに、ワーク・エンゲージメントに関する記載があり、従業員満足度(ES)と同じように、組織におけるとても重要な指標として注目を集めています。
参考:厚生労働省「令和元年版 労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-」
Biz側の所属しか経験したことのなかった私には、あまり耳馴染みのない言葉ですね。従業員満足度は聞いたことがありますが、ワークエンゲージメントという言葉は初めて聞きました。ただ、実体験としてワークエンゲージメントは、マネジメントにとっても物凄く重要な指標であると考えています。
ワーキングエンゲージメントに関連する概念
バーンアウト
ワークエンゲージメントと関連する概念として、「バーンアウト(燃え尽き)」という概念が存在します。バーンアウト(燃え尽き)とは、ひとつの物事に没頭していた人が、心身の極度の疲労により燃え尽きたように意欲を失い、社会に適応できなくなることです。このことより、バーンアウトは、ワークエンゲージメントとは反対の概念として存在していることがわかります。
従業員満足度(ES)
また、現在注目を集めている概念の一つに「従業員満足度」があります。従業員満足度(ES)は企業や組織と個々の社員の双方での関わり合いのことを表しており、個人の関わり合いを表す和ークエンゲージメントとは少し異なる概念であることがわかります。
ワークエンゲージメントの尺度と測定方法
UWES(Utrecht Work Engagement Scales)
ワークエンゲージメントを測定する方法として、「UWES(Utrecht Work Engagement Scales)」があります。最も一般的な方法と言われており、世界的に広まっている方法の一つです。
以下画像のように、3つの観点に関する9つの質問を0~6点で評価し、ワークエンゲージメントをスコア化します。
引用:厚生労働省「令和元年版 労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-」
ワーキングエンゲージメント向上が企業に与える影響とは
ワーキングエンゲージメントの向上は企業にとってどのような影響を与えるのでしょうか。ワーキングエンゲージメントが高いの何が良いのか?について触れていきます。
生産性の向上
ワーキングエンゲージメントが高まることで、仕事への意欲が高まり、主体性を持った取り組み方に変わるため、残す成果が変わってくると言えます。実際にワーキングエンゲージメントと生産性の実感値の間には、相関関係があります。(参考:厚生労働省 「労働経済の分析(令和元年版)」生産性と働く意欲には大きな関係性があると言えるでしょう。
離職率の低下
ワーキングエンゲージメントの向上は、従業員の離職も防止します。働くことに対するポジティブな気持ちが、会社への帰属意識を高めることに繋がります。離職率を下げることは、結果的に、会社全体の生産性の向上に繋がったり、採用コストを抑えたりに繋がるため、先行した投資計画に抑えたコストを回したり、生産性を向上させることで売上拡大につながります。
社員のメンタルヘルス維持
ワークエンゲージメントの向上は、従業員の働く意欲の向上にも繋がり、結果的に睡眠の質の改善や精神的ストレスや疲労度の軽減へとつながります。健康状態が維持できると、プライベートも充実し、ワークライフバランスの実現へとつながります。
ワーキングエンゲージメント向上に必要な2つの要素と具体的な施策とは
ワーキングエンゲージメントの向上には、「仕事の資源」と「個人の資源」が重要と言われています。
2つの資源
個人の資源
個人の資源とは、
- 「心理的なストレス」を軽減する
- 「働くモチベーション」をアップする
働く人個人が持っている内的な要因のことです。具体的に、「自己効力感」「自尊心」「ポジティブ思考」といった個人のポジティブな感情が該当します。
自己効力感
個人の資源の中でも特に重要なのが、この自己効力感です。「自分ならできる」と思えるかどうがが、自己効力感と言えるのですが、自己効力感の高い状態であれば、前向きに仕事に取り組むことができます。仕事における自己効力感を高めていくには、
- 「成功体験を積むこと」
- 「タイムマネジメント能力」
- 「コミュニケーションスキル」
を磨くことが重要だと言われています。
仕事の資源
2つ目は仕事の資源です。
- 仕事ができるようになる
- 成長実感を得る
といったような仕事のモチベーションを高めることを指します。具体的には、「トレーニングの機会」「仕事に対する裁量権の付与」「コーチング」といったものが該当します。つまり、仕事の資源を高めるためには個人ではなく組織やチームとしての能力や経験を最大限発揮して取り組むことが重要になります。
具体的な施策
社員同士褒め合う時間を作る
社員同士が褒め合う制度を作ることで、社員の自己効力感を高めることを目的としています。社員を褒め合うことで、「自分が認められた」「働いたことが認められた」といった感情が生まれ、働くモチベーションにも影響し、前向きに仕事に取り組むことが可能になります。これは個人の資源につながります。
社内情報をシェアする
社内報でも全体の会議の場でも良いのですが、社員個人個人のエピソードであったり、今取り組んでいることであったりをピックアップすることが重要です。個人を取り上げることで、働くことに対する「ポジティブ」な感情が生まれたり、「組織の中で認められた」といった前向きなエネルギーのきっかけとなる感情が生まれます。これは個人の資源につながります。
外部との1on1の時間を設ける
最後に外部のカウンセラーとの1on1の定期時間を設ける制度を作ることです。社内はもちろんですが、外部カウンセラーからの客観的な「コーチング」や「フィードバックの機会」を作ることで、仕事の資源を高めることに繋がります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ワークエンゲージメントを高めることは、社員満足度の向上や離職率とも強い密接な関係にあります。社内ですでに取り組まれているものが、ワークエンゲージメントの向上に寄与しているか?そもそも社内施策ができていない企業は、どういう取り組みから始めるか?を考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
また、管理職の方がこの記事をお読みになっている場合は、組織の中で取り組める施策はないか?やっていないとしたら、どの施策から取り組めるかを考えるきっかけにしてみていただけると幸いです。ぜひ参考にしてみてください。
また、こういった社内のエンゲージメント向上やコンプライアンス向上に関してはこちらにて紹介しています。ぜひご覧ください。