why you nowとは
「why you now」という考え方についてご存じですか?
SaaSのセールスであれば、「why you now」については聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。直訳すると「なぜ今あなたに」という意味になります。セールス活動や普段の仕事においてこの考え方は非常に重要です。企業対企業のBtoBセールスにおいても、営業活動の細部は、人対人の活動になります。私がなぜ今あなたに連絡しているか?という理由付けは、好きな人に対しての告白と同じですね、なぜあなたが好きなのか、なぜ今付き合ってほしいのかという気持ちをぶつけることと本質は変わりません。
今回は、そんな「why you now」を構成する要素と、「why you now」が重要である理由を解説していきます。
why you nowという言葉は、Salesforce社が提唱していますね。私もインサイドセールスにおいて、BDR業務に勤しむようになってから触れるようになりました。今や基本中の基本となっている考え方の一つですが、改めて今回は深掘って行きたいと思います。
why you nowの要素とは
それでは、why you nowの構成要素について見ていきましょう。正式には「why you,why now」という形で、二つの言葉に分けることができます。
why you
まずは、「why you」についてです。直訳すると、「なぜあなたに」という意味ですね。
営業活動において、「なぜあなたに」を作る上で重要な要素は主に2つです。
- 自社サービスの価値が購買者にどんなメリットを与えるか?
- 購買者の抱えている現状への仮説
ざっくり言うと、なぜあなたに連絡をしたか?と聞かれて、「あなたにとってこんなメリットがあるからだよ!」「だってあなたの現状はこうでしょ!多分。」と言うことです。
自社サービスが提供できる価値が相手にとって、トンチンカンな魅力しか感じなければ意味がありません。相手の業種やビジネスモデルにとって、自社サービスを導入することで提供できるメリットの相性がまず重要です。そして、その中でも購買者側が抱えている現状の課題を解決する手段であれば、なおさらベストと言えるでしょう。上記を意識しながら、「why you」は作ってみると良いと思います。
why now
次に「why now」についてです。直訳すると、「なぜ今」という意味ですね。
営業活動において、「なぜ今」を作る上で重要な要素は主に3つです。
- 購買者の中期経営計画
- 購買者の業界におけるトレンド
- 購買者における競合の状況
ざっくり言うと、なぜ今連絡をしたか?と聞かれて、「あなたの目指している未来にとって必要だからだよ!」「あなたの業界って将来こうなっていくでしょ!だから私のサービスが必要なんだよ!」「競合もこんなに台頭してきてるよ!勝つために必要な戦略はこうじゃない!」と言うことです。
一番わかりやすいのは、中期経営計画でしょうか。その企業が目指す未来が大きく書かれており、顧客のAs Is(現状)とTo Be(理想)が整理されている非常に良い資料です。理想と現状のGAPを今、埋めることができるのは、弊社だけだよ!と言うだけです。簡単ですね。
why you nowが重要である3つの理由
それでは、why you nowが重要である3つの理由を見ていきましょう。
外資系有名IT企業が推奨
まずは、営業活動で有名な、Salesforce社が提唱しているBDR向けの一つの概念が、why you nowだからです。
why you nowを広めた始祖と言えば、DJ141さん(@DJ_141)ですね。この記事が有名です。多くのスタートアップ企業がこの記事をみて、手紙を書いていることでしょう。それくらいBDR始めたての企業にとっては、喉から手が出るほど欲しい情報でした。why you nowの書き方から、Salesforceの考え方を引き継いで丁寧に教えてくれています。これからお手紙施策でBDRを開始する際には、ぜひ参考にしてみてください。
聞いてみたい!と思われやすい
自分も顧客の立場だったらどうでしょう?想像してみましょう。2つ目の理由は、まさに自分だ!と思ったことを人は聞いてみたいという心理になるからです。例えばこんな提案だったらどうでしょうか。例えばあなたが、35歳の急成長スタートアップにて、インサイドセールス3年目でこれから5名程度のメンバーのマネージャー業務を始めようとしていますが、マネジメント経験がない方と定義します。
どうでしょう。ちょっとは話聞いてみたいと思いませんでしたか?実際に自分のミッションに照らし合わせた際に、そのミッションを先にクリアしている人や一緒にクリアしようとしている人の話やノウハウは聞いてみたいですよね。それを使うことができるのが、why you nowだから重要視されているのです。
営業の起承転結を想像できる
最後に、営業活動の事前準備として、営業における起承転結を想像した上で営業に臨めるという点です。
why you nowを考えることは、顧客の過去、現在、未来を捉え、それぞれのfact情報から現状と理想のGAPの仮説を立てて、自社サービスでどうアプローチするかを考えることと言えるでしょう。なぜ今あなたにとって、自社サービスが必要なのか?を事前に考えることで、営業の起承転結を全て事前に想像した上で、営業活動を開始することができます。これが、僕が考えるwhy you nowが重要である3つ目の理由だと考えています。事前に顧客のwhy you nowを考えることで、ある程度起承転結が想像できるようになるかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
why you nowは本当に重要です。手紙などのBDRもそうですが、普段の営業活動でフィールドセールスにおけるコンペリングイベントにも活用が可能です。皆さんも営業活動をする前に、自分だったらどう言うwhy you nowを言うか?そのwhy you nowは、顧客に刺さるか?を考えながら営業活動ができると良いですよね。
このメディアでは、他にも手紙営業について記事で紹介しています。【スタートアップ企業必見!最新版】手紙営業代行サービス比較8選や、アウトバウンド型インサイドセールスにおける手紙術とは?といった記事にて、手紙営業の代行サービスや手紙営業術についてより具体的に解説しておりますので、ぜひご一読いただけますと幸いです。