SaaS営業が、「やめとけ」「辛い」「キツイ」と言われる3つの理由とは?

Business
Home » Business » SaaS » SaaS営業が、「やめとけ」「辛い」「キツイ」と言われる3つの理由とは?

SaaS営業とは

SaaS営業とは、TheModelにおける営業のことです。SaaSは業界全体が成長し続けており、市場規模は2020年時点から2024年には1.5倍の規模にまで拡大していくと言われています。

出典:『SaaS業界レポート2020』公開

SaaSにおける営業とは、

  • インサイドセールス
  • フィールドセールス

のことを指す場合が多いです。カスタマーサクセスも営業職になりますが、一般的にはアポイントを獲得しフィールドセールスにパスをする「インサイドセールス」と、アポイントから受注へと繋げ、カスタマーサクセスへと契約をパスしていく「フィールドセールス」のことを「SaaS営業」と表現することが多いでしょう。SaaS市場規模の拡大に伴い、SaaS営業の需要は増加しています。

そんな中、「SaaSを、やめたい、辛い、きつい」と言う声も散見されるようになってきました。今回は、筆者の実体験も踏まえながら、SaaS営業の辛さ、きつさについて、解説していきたいと思います。

Biz Stock
Biz Stock

筆者自身も、SaaS営業を6年(インサイドセールス3年、フィールドセールス3年)ほど経験しており、今もなおフィールドセールスとして勤務しています。辞めたいと感じることは、今でも多々あります。

SaaS営業が「やめとけ」「辛い」と言われている理由

SaaS営業が「やめとけ」「辛い」と言われている理由はどんなところにあるのでしょうか。以下に、自身の経験も含めていくつか思いつく限り挙げてみました。「やめとけ」「辛い」と言われているのには、以下のような理由があると考えます。

人材のレベルが高い

いわゆるSaaS営業は、システム面の知識も去ることながら営業としての知識も豊富に持ち合わせておかなければなりません。そのため、一般的な営業と比べると必然的に難易度が上がります。

また、スタートアップや成長フェーズの会社が多く、会社のブランドを使って信用を得ることができません。そのため、人間力やコミュニケーション能力も問われることになります。

このように難易度が高いSaaS営業には、レベルの高い人材が集まりやすくなっております。周りのレベルに合わせようとすると、相当の努力が必要となり、これがSaaS営業が「やめとけ」と言われる一つの理由です。

SaaS営業
SaaS営業

SaaSの営業に転職したはいいものの、周りからも各業界の優秀な人材が集まってきててレベルに合わせていくだけで、とても大変だ。。。

これは筆者の実体験としての話です。人材のレベルが高い理由は、以下になります。

  • 連携するシステム知識が必要
  • ソリューションの営業知識が必要
  • 人間力やコミュニケーション力が必要(顧客はもちろん社内の人間も)

ただシステム面の知識や営業面の知識はなくても最悪、成果に影響しないことが多いです。一番成果と相関があると言えるのは、最後の人間力の部分と言えるでしょう。結局、顧客も人です。人との信頼関係がしっかりと築ける人が成果を残します。スペックが低いとか頭の良い大学を出ていないとか、イケてる会社を出ていないとか、そのようなことは成果には関係ないということだけ頭の中に入れておきましょう。

ハードワークになりがち

SaaS提供企業の多くの会社がスタートアップ企業です。スタートアップの多くの企業がこれから市場にサービスを拡大させていく段階であり、十分に売上が確保されているわけではなく、多くの場合人手不足です。そのため、基本的にはハードワークになりやすいと言えるでしょう。これもSaaS営業が「やめとけ」と言われる理由の一つです。

CEO
CEO

教育してる暇なんてないから、とにかく成果出してね

SaaS営業<br>マネージャー
SaaS営業
マネージャー

人手がとにかく足りない…!残業はもちろん、土日も計上しないと間に合わないよ!

SaaS営業
SaaS営業

きついなぁ。平日も毎日残業だし、土日も返上しないといけないのか。

スタートアップにおいては、成果の創出がマストになります。売上が立たないと、会社の存続が怪しくなり(バーンレートがマイナス)、最終的に路頭に迷う可能性だってあります。そのため、SaaS営業は、サービスを売って、売上を獲得するためにハードワークが続くことが多くなり、「きつい」、「辛い」、「やめたい」と言われることが多いです。

数値管理が厳しく、定量的なコミュニケーションが多い

SaaS組織においては、KPIや目標が明確になっています。また、データドリブンに基づき成果の根拠がある程度明確化されているケースが多いため、日々の行動管理やメール、SFAの更新ルールなどが細かく定められていることがあります。

そのため、データに基づいた達成計画や根拠が言えないとそもそも会話すら難しい場合が多々あります。

SaaS営業
SaaS営業

すみません、未達になります。なぜなら気合いと元気が足りなかったからです。

マネージャー
マネージャー

全くデータに基づいた分析ができていませんね。再度達成計画を作ってきてください。

日々のデータ管理や入力が出来ていないと、達成に必要な根拠出しが出来なかったり、論理的に物事を考える癖をつけていないと、コミュニケーションが難しいケースが出てきます。

もちろん、フランクなコミュニケーションも可能ですが、こういった達成計画や根拠のあるプレゼンができないと、SaaS営業は「やめとけ」と言われるでしょう。

SaaS営業「やめとけ」と言われる人の特徴(向いていない人)

改めてSaaS営業に向いていない人の特徴をまとめてみましょう。

SaaS営業やめとけと言われるの特徴
  • ハードワークできない
  • 自分の成長に興味がなく、現状維持したい
  • 結果ではなく、過程を評価してほしい

まずは、ハードワークできない人です。これは上でも説明している通り、SaaS営業は間違いなくハードワークになることは間違いありません。そのため残業をも厭わず、会社の売上や成長に貢献しようという気概のある人でないと、長くは続きません。

次に、成長意欲がない人です。SaaS業界(=スタートアップ)は変化が激しく、昨日正しかったことが今日は正しくなかったり、明日からコミットする成果が変わったりと目まぐるしく、自分の役割や求められるスキルが変わります。きっと、これまでの自分では通用しないことがほとんどでしょう。自分の殻を破り、勉強しなおしたり教えてもらったりする必要があることがほとんどです。現状の自分に満足せず、努力を続けられない人では、長くは続かないのがSaaS営業です。

そして最後に、結果ではなく、過程で評価をしてほしい人です。大企業であれば、過程を評価してくれる人事制度も整っていることが多いですが、スタートアップに人事制度を求めてはいけません。もちろん スタートアップの中には、過程を評価してくれる人はいるでしょうが、会社を経営していく上で、売上を立てることが生き死にを決める上で最も重要なことなので、結果が全てであることは自明の事実です。

SaaS営業の魅力・将来性

それでは、SaaS営業の仕事は全く魅力がなく、ただただ「辛い」「やめとけ」と言われるような仕事なのでしょうか。否、そんなことはありません。SaaS営業にも十分に自慢できる「魅力・将来性」があります。

SaaS営業の魅力・将来性
  • SaaS市場の拡大に伴い、SaaS人材価値も上がっていく
  • 周りのレベルが高いため、営業人材として成長できる
  • 営業以外の仕事もなんでもこなすため、人材としての価値も上がっていく

SaaS市場が拡大している一方であることは冒頭でも述べました。市場の拡大に伴いそこに流れる人材の価値は上昇していきます。2024年以降もSaaS市場は拡大していくと言われており、ますます今後需要の拡大が予想されています。一方で、実際にSaaS営業経験のある人材はまだまだ少ない現状があります。そのため、今後ますます人材価値は上がっていくでしょう。

また、SaaS組織においては情報感度が高く、成長意欲が高い人たちがいるケースが多いため、営業としてのスキル面の向上にもつながると言えるでしょう。勉強会やSaaS人材同士の交流といったコミュニケーションがSNS上で日々行われており、そういった関わり合いや意見交換を通して新たな気づきや学びを実務に活かすといった習慣が、自然に形成される環境がSaaS(=スタートアップ)と言っても良いかもしれませんね。

そして、SaaS営業とはいえ、スタートアップでは人材不足であることが常なので、マーケティングやカスタマーサクセス、総務や法務などの営業以外の仕事もやらなければならないことが増えてきます。そのため営業以外の仕事をこなすことで、人材としてのタフさも上がっていくことでしょう。

まとめ

私自身の経験から申し上げると、SaaS営業はものすごく辛い!というよりは、頭から汗を出す感覚が近いと言えるかもしれません。それぐらい顧客や市場に向き合い考え続けなければ、本当に売上が立ちにくいです。以上を含めて、SaaS営業に挑戦されたいかたはぜひ挑戦してみてください!人材としての価値が上がりますよ!

ただ、これらはあくまでも筆者の所感にはなりますので、実際にやってみたら違った!なんてケースは多々ありますので、ご留意ください。

また以下にて、「インサイドセールス」「フィールドセールス」「カスタマーサクセス」の記事を掲載しておりますので、ぜひこちらもご覧ください!

タイトルとURLをコピーしました